後発白内障
白内障の手術後、ほとんどの患者さんの目の機能は回復します。
しかし、しばらく経ってから再び見えにくいと感じた場合は後発白内障の疑いがあります。

 後発白内障とは、白内障手術後におこる合併症の一つです。
白内障の手術をした患者さんの約20%が5年以内に発症することが多く、比較的高い頻度でおこる白内障の術後合併症です。

後発白内障は、眼内レンズを移植するために残した水晶体を包んでいる透明なカプセルと眼内レンズの間に、水晶体の細胞が増殖して濁りをつくる状態です。後発白内障は白内障治療に関連した術後合併症といえます。白内障治療の術後5年で、およそ20パーセントの患者さんにおいて発症するとの報告もあります。

・・・・こんな病名、、ご存じでしたか?

白内障の手術後2年目の検診で、視力が落ちているのに気づきました。そんな筈はないのです。二年前、白内障の術後、視力の回復と、あたりの景色の鮮明さと、自分の顔の皺に驚嘆したのですから、、しかし2年後のこの頃、TVの画像が鮮明ではないし、顔のしわが気にならないような感じがしていました。

この視力では手術を受けた意味がありません。主治医先生は、事も無げにこうおっしゃいました。
「後発白内障ですね、今日中に治療してしまいましょう、、」

「目」の手術は、もし見えなくなったらどうしようという恐怖感が先だって、最も怖いもののひとつでしたからオタオタしてしまいます、痛くないのだろうか、、、

レザーで濁った膜をとるということで、説明を受けた後、すぐに施術です。痛くもかゆくもなく10分くらいで終了!でした。お見事!としか言いようがない鮮やかな手口です

かすかな黒いかけらが飛んでいるような症状は残っていますが、これも時間が解決するのだそうです。帰ってきたその時から、また2年前の感激が戻ってきました。

「なんとよく見えることでしょう!あたりが明るく輝いています!TV画面はものすごく美しい色の洪水です、そして、、鏡に映る我が顔の皺の鮮やかさに絶望しました。2度の感激(笑)を味わったことになります。

もし、白内障の手術を受けてから、あまりすっきりしなくなったと感じているお方がおられましたら、「後発白内障」かもしれません、白内障の手術をされた医師にお話になることをお勧めします。年だからこんなもんだなどと思わないでほしいです。うまくいけば、2度のびっくりが味わえるのですから、、、(2020.12.01.)
白内障の手術
月は白かったんや、、
寒暖の差がことのほか激しい今冬です。強烈な北西風が吹きすさぶ寒い夜が有るかと思えば、生暖かい闇の夜があったりして落ち着ません。そんな冬のある夜、歩きながら空を見上げると、黄色いお月様がボンヤリと大きく見えていました。毎晩の散歩道は見上げれば月がついてくる、そんな空間が広がるマリーナ近辺ですから、昼間にあったいろいろなことを思い返しながら歩いているとけっこう楽しいのです。

しかし月が二つに重なって見えるようになり、だんだんボンヤリするようになってきますと気持が少し落ち込みました。いよいよ老化現象の始まりです。そういえばパソコンの画面も小さな字がスッキリと見えないようになってきました。いちど眼科に行かなくては、、白内障に違いないと思いつつも「眼」の手術なんて恐ろしい、失敗でもされたら失明するかも知れない、そう思うとなかなか受診する気になりませんでした。手術を受けられた方々はまわりにも沢山おられましたから、いろいろ聞いてみるのですが、あまりはっきりとしたご意見が聞けないでいました。術後5年ほど経過した方からは、まただんだん視力が弱ってきたとの話も聞きました。なかなかふんぎりがつきません。

平成30年も終わりに近づき、運転免許の更新が来年であることに気づきました。3年前の警察での視力検査はやっとOKが出ていましたが、0.5と0.7の視力では今度は難しいかもしれない、、やっと決心して眼科に行きました。

ネット検索ではじつに様々なご意見が載っており、知識も増えましたが、恐怖も増してきました。術後の「眼内炎」発症などで失明に至る人の割合は0.05%と知りました。その0.05%に自分が入らないという保証はないのですからやはり恐ろしいのです。いつもの「先走り」が影を潜め、臆病風に吹かれっぱなしでしたが、運転の事を考えるともう時間切れですから、覚悟しました。

まず左目からです。手術当日、術前処置ののいろいろがすみ順番が来て手術台にのりました。上から顕微鏡とおぼしき器械がが~っと降りてきて、目の前に閃光が走ります、自分の心臓の音がやけにはっきりと聞こえます、不安と極度の恐怖感は沸騰寸前でした。わずか20分ほどの時間ですが、疲れ切ってしまいました。疲れたのは執刀医先生の方でしょうから、患者が疲れたとなどと言っては叱られそうですね。

点眼や投薬、保護眼鏡や寝るときの眼帯など、手厚いケアは2週間続き、二回目の右目が済んで10日が過ぎました。「薄紙を剥ぐように、、」という言葉がありますが、まさにその言葉通り、日に日に世界が明るく新しくなっていくようです。視力は1.2.と1.5にまで回復しました。

顔を洗って鏡を見て愕然としました、ウワ~ッ!皺、しわ、、シワがくっきりといっぱいいっぱい見えたからです。霞がぬぐわれたような新しいレンズの力です。家中どこを見ても黄色みがかった汚れがなくなり、くっきりと白色にみえます。キッチンの戸棚の手垢の跡などが気になってたまりません。これは年末にかけて忙しくなりそうです。

夕刻の散歩道で空を見上げました。まん丸に近いお月様がくっきりと銀色に輝いていました。

「お月様は、ほんまは白かったんや、、」

幸せな気分が胸に溢れました。この生まれたての新鮮な光景や色を、しっかり覚えておきましょう!いずれまた曇ってくるかも知れない日のために、はっきりと記憶しておかなければと思いました。失明0.05%に入らずに終わったことを感謝しながら、これからの日々を慎重に、楽しく暮らさなければと思っています。(2018.12.23.)

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